【桜姫華伝】第六話「どうして俺を選んだ」(りぼん2009年6月号)感想 その8
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【桜姫華伝】第六話「どうして俺を選んだ」(りぼん2009年6月号)感想 その7
↑のつづき
○青葉、相反する心の間で揺れ動く
青葉「幼い頃から桜に恋焦がれ…東宮になれなかった時から
その想いは全て憎しみにかわった」
(りぼん2009年6月号・P.46の1コマ目)
好きな相手だったからこそ、反動で憎しみも大きくなってしまった
のですね。青葉にとってみれば桜姫を嫁にして、自分は東宮になるという
のが理想的な展開だったのでしょうが、現実は東宮にもなれず、桜姫を
嫁にすることもできず、どちらも手にいれることはできませんでした。
青葉はただ純粋に桜姫に会うために一生懸命努力をしたのですが
その結果がこれではあまりにかわいそうすぎます。努力が報われないだけで
なく、かつて好きだった子を殺そうとしなくてはならなくなったのですから。
矛盾する2つの感情の狭間で青葉は必死に戦っているようです。
ある意味妖古よりやっかいな敵かも。だって妖古から逃げることは
できますが、自分自身から逃げることは絶対できませんし。
青葉「もう 桜のことを愛すのも 殺すのもあきらめる」
(りぼん2009年6月号・P.46の3コマ目)
一番つらい道を選択するつもりなのか。憎むほうがまだ精神的に
楽だろうに。これって桜姫については何の感情も持たないように
するっていうことですが、そんなのどう考えても無理に決まってる
だろう…だってこれまで青葉は桜姫に対して愛情や憎しみの心を
さんざん向けてきたのですから、ある急に無関心になろうと思ったって
できるわけないです。
仮に青葉がそんなことができるような器用な性格の持ち主だったら
もっと上手に立ち回っていたことでしょう。
白夜「わしはどちらでもかまわんよ 姫が妖古を倒すと言って
くれるなら 結婚相手が誰であろうと」
(りぼん2009年6月号・P.47の1コマ目)
これは青葉にしてみればたまったものではないだろう…
自分のこれまでの苦悩の日々は一体なんだったんだ!!! と言いたくも
なるでしょうし。
青葉「ならばなぜ俺を桜の許婚(いいなずけ)に
選んだ!?」(りぼん2009年6月号・P.47の2コマ目)
青葉が言うことももっともです。「誰であろうと」とか
言われてムカつかない人などいないでしょう。
青葉はそもそもなんで自分が桜姫の許婚に選ばれたのか
理由の説明を受けていなかったのか。桜姫が許婚であるという
生活があまりにも長かったから、もはや疑問に思うことすらなかった
のかもしれませんね。
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