【桜姫華伝】第九話「春を愛する人へ」(りぼん2009年9月号)感想 その6
【「桜姫華伝」の感想】←今までの感想のまとめはこちら
【桜姫華伝】第九話「春を愛する人へ」(りぼん2009年9月号)感想 その5
↑のつづき
○不老不死でも心は治らない
過去の白夜「体の傷はどんなに深くても痛みに耐えればいつかは
消してくれるものだが 心の傷はひとつも治してくれないんだ」
(りぼん2009年9月号・P.196-197)
過去に白夜は青葉に対してこんなことを言っていたのか。普通の
人間ですら、心の傷を癒すのは大変ですが桜姫みたいに不老不死だと
傷ついた心をずーっと持ち続けなければいけないのか。
心の傷を癒してもらいたくても、桜姫の周りには今は亡き淡海(おうみ)
と白夜くらいしかいなかったですから、青葉の役割はとても重要なので
しょう。
過去の白夜「なってくれるか? 青葉 姫の『自分じゃない誰か』に
姫に『寄り添う者』に」(りぼん2009年9月号・P.197の4-5コマ目)
この時「なるよ」と決心した青葉でしたが、ついにそれを実行する
日が来たのでしょう。藤紫の行動のおかげで、桜姫は大きな力を
得ることができましたね。いじっぱり同士だから、なかなか素直に
なることができませんでしたが、素直にならざるを得ない環境に
追い込まれて初めて本来あるべき関係になることができました。
○青葉の不安
青葉「こわかったんだ… 成長すれば不老不死がどんなものか
よくわかる! 俺は人間でいつかは別れる時が来ることも」
(りぼん2009年9月号・P.199の3-4コマ目)
あ、たしかにそうですよね。寿命が圧倒的に違うので、余程の
ことがなければほぼ確実に青葉のほうが先に亡くなってしまいます。
青葉もつらいけど、見送る立場の桜姫もつらいだろうなぁ。
ある意味、愛する人に看取られることが確実な青葉は幸せなのかも
しれない…
青葉「こんなに好きなのに 俺には耐えられない!
俺には耐えられない!!」
(りぼん2009年9月号・P.200の1コマ目)
こんなはずかしいセリフでも、堂々と言えて
しかも格好いい青葉っていいなー
あまりにも愛が強すぎて、一連の行動を青葉はとってしまったのか…
愛するが故(ゆえ)の憎しみだったのかも。青葉が桜姫に対して
攻撃的になったのは桜姫のせいで希望をする地位に就けなかったから
というものですが、これは多くの理由のひとつにすぎないのであって
本筋ではないような気がします。
もういろんなことを考えなくてはならないので、どうして良いのか
分からなくなっちゃってる感じでしたが、別れなくてはならない
状況に追い込まれて初めて本当の気持ちを全面に押し出すことが
できました。青葉は真面目すぎるのかも。もっと自己中心的な人
だったら、違った展開を見せたかもしれませんね。
この時桜姫と青葉はキスをしたのですが、これが2人にとって
新たなスタートを飾るものとなりました。
| 固定リンク
「桜姫華伝」カテゴリの記事
- 桜姫華伝12巻の感想 その1(2013.01.15)
- 【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第五十話(最終話)「さようなら、ありがとう」(りぼん2013年1月号)感想 その5(2012.12.27)
- 【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第五十話(最終話)「さようなら、ありがとう」(りぼん2013年1月号)感想 その4(2012.12.23)
- 【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第五十話(最終話)「さようなら、ありがとう」(りぼん2013年1月号)感想 その3(2012.12.15)
- 【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第五十話(最終話)「さようなら、ありがとう」(りぼん2013年1月号)感想 その2(2012.12.08)