【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第二十二話「約束したから」(りぼん2010年9月号)感想 その3
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【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第二十二話「約束したから」(りぼん2010年9月号)感想 その2
↑のつづき
○「もののけ」の姿に戻ってしまった朝霧
白夜(びゃくや)「いかん! 姿が保てない!!」
(りぼん2010年9月号・P.272の1コマ目)
桜姫にとってはおなじみの姿である小さいもののけの姿に戻って
しまった朝霧、力を使ってしまったからこうなってしまったのですが
(雪女としての力を使うと命を削られる・桜姫華伝4巻より)もうもののけの
姿が標準であって、本来の姿であったはずの雪女の姿の
ままでいることは、朝霧の自由意志ではできなくなっているようです。
右京(うきょう)は初めて朝霧のもののけの姿を見ましたが
さすがにびっくりしてますね。そりゃ元婚約者が目の前で人形みたいな
小さい姿になったのですから驚くなというほうが無理な話でしょう。
驚いただけでなく、愛する人がどんな目に遭(あ)ったのか、そして
このあとどうなるか、朝霧の運命を考えると…
朝霧「右京の気持ちから…逃げるわけにはいきませんでした…」
(りぼん2010年9月号・P.274の4コマ目)
こんな風に思うことができるのは朝霧が現在もなお右京のことが
好きだということの証(あかし)でしょう。
愛していた人だからこそ、正面がぶつかる道を選択したのですね。
もし攻撃してきた側が朝霧ではなく、他の刺客(しかく)だったら
今回と同じ行動をとったか疑問です。あくまでも桜姫の救出が第一目標で
あって敵の討伐(とうばつ)が主目的ではありませんから。まぁ目の前に
桜姫がいるという状況だから、桜姫を救い出すために結局力を使うという
選択をした可能性も高いですが。
○自分のことが嫌いな朝霧
朝霧「どうしても自分のことが大嫌いだった あの日から」
(りぼん2010年9月号・P.276の1コマ目)
やはり自分の行為によって村を破壊し、人々を殺してしまった
ということがどうしても許せないようです。どうしてあんなことを
してしまったのか自分でもその理由が説明できないようですが
力が暴走してしまうきっかけとなったのは人身御供(ひとみごくう)に
選ばれたからであって、朝霧はわざと破壊行動をやろうと思った
のではないのですが、理由はどうであれ自分のせいで大変なことが
起こってしまったという事実は変わらないので、そのことが今もなお
朝霧を苦しめ続けているようです。
人身御供の儀式の日、朝霧は命は助かったけど心までは助からなかった
のかもなぁ…体を癒(いや)すことはできるけど、失われた村や人命は
帰ってくることはないので心が完全に癒えることなどないですから。
何かある度(たび)に力が暴走する場面を思い出してしまうんだろうな。
こんなのが一生続くなんて拷問(ごうもん)のようなものだ。
朝霧「だから私を好きなんて言う人もどこか気持ち悪くて
親切な言葉も苦しいだけで」
(りぼん2010年9月号・P.276の2コマ目)
「親切な言葉も苦しいだけ」ってこれは誰でもやってしまいがちの
ことだから気をつけたほうがよさそうですね。困っている人、苦しんで
いる人、悩んでいる人に対してついつい表面上優しい言葉をかけてしまい
ますが、相手がどれだけ悩んでいるかということは本人にしか分からない
のですから、軽々しくあれこれ言うのは慎重にしないと。
朝霧「でも…でも信じてみたくなったんです 姫様のこと…
姫様が『優しい』って信じてくれた私のこと」
(りぼん2010年9月号・P.278)
朝霧雪伝(桜姫華伝4巻収録)につながった!!! 朝霧の過去が
明らかになった今、改めて読み返して見ると初見の時よりお話の流れが
とてもよく分かります。
○右京、槐(えんじゅ)を裏切る
右京「気高く美しい雪女 君をこの手にかけるなんて 俺には
できない」(りぼん2010年9月号・P.280-281)
裏切りキタ─(゚∀゚)─!!!
まぁもともと朝霧のことを愛していたのですから、朝霧と
戦う理由などないですよね。朝霧がどうして村を滅ぼしたのか
分かった今となっては朝霧と槐、どちらの側につくべきかちょっと
考えればすぐ分かるでしょう。
槐を閉じ込めて桜姫を解放した右京。このまま槐が黙って
捕まったままになるとは到底考えにくいので、右京は槐と戦うしか
なくなりそう。
…何かのフラグを立ててしまったような気がしないでもない
ですが(笑)
○桜姫と青葉、再会
青葉「顔…ちゃんと見せてくれ! 痛いとこないか!? 泣いてる
じゃないか!!」(りぼん2010年9月号・P.286の1-2コマ目)
よくよく考えたらこの2人、笑顔で触れ合ってることってほとんど
ないな。いつも意地を張ってけんかをしているか、泣いてるかの
どっちかだものな…
桜姫「私いつのまにこんなに 愛していたの…? 青葉大好き」
(りぼん2010年9月号・P.286-287)
槐が桜姫を自分の目的のために連れ去ったことが結果として
桜姫に自分が青葉のことが好きだと自覚する機会を作ってしまった
というのは皮肉としかいいようがありません。一緒にいるのが
当たり前だった青葉のもとから突然連れ去られ、青葉がいない環境に
置かれてようや自分の本当の気持ちに対して素直になることができました。
幼い頃の優しい槐はもういないということも認識できたっていうのも
あるかもな。自分はただの道具にすぎないということ分かり
ましたし。
ただこれで桜姫は新たな難問を抱えたことになるんですよね。
青葉が槐と戦うことになった時、桜姫はどうするつもりなんだろう?
↓つづきはこちら
【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第二十二話「約束したから」(りぼん2010年9月号)感想 その4
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