【REC-君が泣いた日-】〔牧野あおいさん〕カウントダウン02(りぼん2011年1月号)感想 その3
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【REC-君が泣いた日-】〔牧野あおいさん〕カウントダウン02(りぼん2011年1月号)感想 その2
↑のつづき
○みなみ、暁(あきら)が本当は笑っていないと気づく
暁「…どうしたんだよ 俺 いつも笑ってるでしょ?」
(りぼん2011年1月号・P.239の4コマ目)
みなみ「…笑ってない …本当はいつも ずっと…一度も
笑ったことなんかない!」
(りぼん2011年1月号・P.239-240)
みなみは生まれてから一度も笑ったことがないのですが、そんな
みなみだからこそ、暁が笑っているように見えているのは実は
演技なのではないかと気づいたのでしょう。「笑う」ということの
重みをクラスの中で誰よりも知っていますから。
暁がみなみに「笑ったことなんかない」と言われた瞬間、表情が
変わりましたが、動揺したということを悟られないようにしようと
思ったのか、笑顔を作ってみせたのですが、この時の暁の心境を
想像すると痛々しくてみていられません。
暁「何言ってんの ちゃんと笑ってるよ」
(りぼん2011年1月号・P.241の4コマ目)
言い古された言い方ですが、この時暁は心で泣いていたんだろうな…
みなみ「裏切られた気がした」
(りぼん2011年1月号・P.243の1コマ目)
みなみは自分が暁に対して本当は笑っていないのではないかと
指摘したのに嘘をつかれたのが許せなかったのでしょう。大事な
ビデオカメラをその場に落として走り去ってしまったのですから
余程ショックだったんだろうな。自分の心の闇に気づいてくれた
人をようやくみつけたと思ったら、その人に嘘をつかれたのですから。
もしかしたら暁がみなみに心を開いたのは、本能的に自分とみなみは
「笑ったことがない」という共通点があるということに気づいたからかも。
みなみ「だからこの時は分からなかったんだ 嘘をつかれるのと
同じくらい 嘘をつき続けるのは苦しいのだと」
(りぼん2011年1月号・P.243-244)
本当の自分を表に出せないことくらいつらいことはないでしょう。
悩みを抱えている時、誰かにしゃべっただけでちょっと心が楽になった
という体験をなさった方も多いと思いますが、暁にはそれができなかったの
ですから…
この後暁は重い病気を抱えていることが明らかとされるのですが、
そのことを隠してずっと笑っているフリ、元気なフリをしながら登校を
続けたのはどれほどつらかったことでしょう。
暁とみなみがもう少し早くであっていたら、二人の学校生活…というか
人生は全く違ったものになったかもしれませんね。そう考えるとちょっと
残念だったなぁ。
暁が役者として活動していたのは暁の心を安定させるという意味で
よかったのかも。他人を演じている間はその人になりきることが
できるのですから
ここまでお話を読み進めた後に、あらためて1話の冒頭に出てきた
映画のシーンを見ると暁がこのシーンをどんな思いで演じていたのだろうと
感じずにはいられません。役者としての最後の出演作が病床に臥(ふ)せる
役だったなんて。ただこの映画のおかげでみなみとの接点が生まれたのですから
出演は無駄ではなかったどころか、出てよかったと思います。
ただ役者としての出演の最後は映画でしたが、芸能人としての最後の
出演作の収録がこの後始まることになります。
みなみ「…その日 暁は学校を休んだ それからもう二度と学校に
来ることはなかった」(りぼん2011年1月号・P.247)
みなみと暁のあまりにも過酷な付き合いがこの時始まったんだよな…
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