【REC-君が泣いた日-】〔牧野あおいさん〕カウントダウン03(りぼん2011年2月号)感想 その2
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【REC-君が泣いた日-】〔牧野あおいさん〕カウントダウン03(りぼん2011年2月号)感想 その1
↑のつづき
○暁(あきら)の病気の真相を知ったみなみ
※みなみに暁の事情を話したことについて
暁のマネージャー「全部話したからな」
(りぼん2011年2月号・P.292の6コマ目)
マネージャーの頭の中でみなみはどういう位置づけなんだろう?
余程のことがない限り病気のことなんて話しをしないと思うのですが。
隠したところでいずれバレてしまうからかもしれませんね。テレビ局の
取材陣とのトラブルに巻き込んでしまったっていう事情もあるし。
暁のマネージャー「さっきRHKテレビからお前の独占取材のオファーが
あったぞ『若林暁 感動の闘病秘話』…特集番組だと」
(りぼん2011年2月号・P.293の1コマ目)
いかにもありがちな番組だな。この手の番組って作り手次第で感動的な
内容になる場合もあれば、なんだかわざとらしくなってしまい興ざめって
いう場合もありますよね。
RHKといえばさっきみなみと暁に強引な取材をした人たちですが
あれだけのトラブルを起こしても独占取材の話しを受けてくれるので
あればやったもの勝ち状態だな。いくら相手を困らせても罰を受ける
心配がないのであれば安心してカメラとマイクを持って特攻できますし。
独占取材を受けるのはいいけど、放送局はちゃんとしたところを
選ばないと、他局はあそこまで無茶なことをしてないんだし。
暁のマネージャー「…一応聞くけど …どうする?」
(りぼん2011年2月号・P.293の2コマ目)
これまでの付き合いから暁が断ることを想定していないようですが
この聞き方だと本当は受けたくないと思っていても断れる雰囲気じゃ
ないな。事実上の職務命令に近いです。
暁「分かりました 受けます」(りぼん2011年2月号・P.293の4コマ目)
二つ返事か。まぁ暁の性格を考えると当然でしょう。暁があれこれ悩む姿が
想像できないです。
○暁が以前教室で怒った理由
みなみが暁に対して怒るきっかけとなった、教室での暁ブチ切れ事件
のことについて暁が語りました。
※結局目立ちたかっただけだろう?とクラスメイトに言われた件
暁「…おれ ムカついちゃってさ だってその通りなんだもん」
(りぼん2011年2月号・P.294の6コマ目)
人間、誰しも本当のことを言われると頭にくるものです。まして
暁はつらい思いを隠しながら元気な男の子を演じているのですから
なおさらです。
暁「…結局俺は 俺がいたことをみんなに覚えていてほしかった
だけなんだ」(りぼん2011年2月号・P.295の1コマ目)
芸能人になれば多くの人の記憶に残るからな…芸能活動を
がんばっていたのはこの世に自分がいたことを残したかったから
なのか。芸能人として成功したので暁の目的は果たせたといって
いいのでしょうが、いくら名声が高まったとしても心が晴れることは
なかったんだろうな。
事情がわかってきた後に改めて暁が教室で見せた笑顔を思い出すと
悲しい気持ちになってきます。
○暁、みなみに自分の命の期限を告げる
暁「俺 もうすぐ死ぬんだよ」(りぼん2011年2月号・P.296の1コマ目)
みなみは暁から思ってもいない言葉が出てきたので、ちょっと
表情が固まってますね。暁が自分を偽っているということには
気づいていたみなみでしたが、さすがに重い病気を患(わずら)って
いるとは想像すらしていなかったのでしょう。
暁「今回の取材は きっと俺の死を撮ることが目的だ それでいい
それは強烈に視聴者の記憶に焼きつく」
(りぼん2011年2月号・P.297の2コマ目)
芸能生活が長い暁はテレビ局側の意図を見抜いたのでしょう。
闘病の様子を撮影するという名目ですが、暁の病気が治ることは
期待していないのか。まぁきれいごとでは片付けることができない
現実というやつなのでしょうが、淡々と話しをする暁を見ると
自分が置かれた状況を妙に客観的にみつめていることが分かります。
暁「…俺の一番望んだことだ 最期の瞬間まで俳優として
生きるってもう決めたんだ」(りぼん2011年2月号・P.297の4コマ目)
「一番の望んだこと」が「病気が治る」ことでないのか…
・゚・(ノД`)・゚・ どんなに願ってももうそれは叶うことのない願いだと
悟っているのでしょうけど。
「死に向かっている俳優」を演じるのが最後の仕事なのか。
○暁のことを理解している数少ない人であるみなみ
みなみ「あの日…本当の私を見つけてくれた 暁はどこに
行ったの…?」(りぼん2011年2月号・P.299の1-2コマ目)
みなみは別に暁が芸能人だから仲良くしているのではなく純粋に
自分の本当の姿を理解してくれた人だから仲良くしてるのですから
「本当の私を見つけてくれた」暁が目の前から消えてなくなりそうな
状況はがまんならないのでしょう。
暁「…俺なんて 俳優じゃなかったら 誰も見てくれないよ」
(りぼん2011年2月号・P.300の3コマ目)
もちろんそんなことはないとは思うのですが、俳優で居続けることにより
世間の注目を集め、同級生に囲まれる生活を長年やってきた暁に
とっては俳優であり続けることが他人に認められる唯一の方法だったのでしょう。
みなみ「私がみんなに教える 本当の暁のこと」
(りぼん2011年2月号・P.301の1コマ目)
ここでみなみは自らが暁のことを撮影するということを切り出した
のですが、同級生が自ら撮ったほうが暁も本音を出しやすいから
俳優の暁でなく、高校生の若林暁を撮影できるでしょう。テレビ局の人が
いろいろインタビューしてもどうせ暁のことだから型にはまった答えしか
返さないでしょうし。
暁もどうせ自分が生きた証(あかし)を残したいのであれば本当の姿を
撮ってもらったほうがいいでしょう。たしかにテレビを通じて全国に
暁の姿は発信され、たくさんの人々の心に残ると思います。でも残るのは
あくまでも「俳優としての暁」にすぎません。
みなみ「私が撮る 暁の全部 私が引き受ける!」
(りぼん2011年2月号・P301の3-4コマ目)
暁にとってありのままの姿を包み込むように受けていれてくれる
友人に初めて出会えたんだろうな。本当の自分を知ってもなお
こうやって心の底から心配してくれるのですから。
みなみにとって暁との出会いは人生を変えるほどの衝撃でしたが
暁にとってもみなみと出会ったのは残された時間の過ごし方を
一変させることになりました。みなみがいなかったら形だけの
お見舞いの言葉しか暁の耳には届かなかったでしょう。
みなみは暁の本当の姿が知られないまま亡くなっていくのは
許せないでしょうね。
しかしまさかみなみは自分がなけなしの貯金をはたいてかった
ビデオカメラをこんな重要なことに使うことになるとは想像すら
していなかっただろうな。
みなみ「負けたくない 私の大切なものを壊そうとする
力だけには」(りぼん2011年2月号・P.301の5-6コマ目)
ようやく手に入れた自分を理解してくれる人との時間が
なんだかよく分からない人たちによって壊されるのがどうしても
許せなかったのでしょう。みなみと暁が一緒にいられるのは
余程の奇跡が起きない限り残りわずかなのですし。
みなみ「…もう大丈夫だよ 私が守ってあげる 私が守ってあげる」
(りぼん2011年2月号・P.302の1-2コマ目)
暁「…うん ありがとう…」
(りぼん2011年2月号・P302-303)
暁がこの時流した涙は演技でなく本物の涙なんだろうな…
泣いたことがないみなみはどこで初めて泣くことになるんだろう。
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