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2011年2月28日 (月)

【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第二十八話「信じてるけど。」(りぼん2011年3月号)感想 その2

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【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第二十八話「信じてるけど。」(りぼん2011年3月号)感想 その1
↑のつづき

○百合姫の美へのこだわり

百合姫「美しいお邸(やしき) 美しい女房(にょうぼう)たち
そして 美しい私
」(りぼん2011年3月号・P.285の3コマ目)

 とにかく「美しい」ということにこだわりを見せる百合姫、「美しい私」は
あくまでも自分から見てということなのでしょうが、少なくとも美しいと
いうのはどういうことであって、どうすればそれに近づけるかという
ことをあれこれ考えて実行しているのは間違いなさそうです。

 一方、桜姫は一体何にこだわっているのだろう?
「美しさ」については全く興味がないということはないのでしょうけど
百合姫ほど熱心とはとても思えません。青葉のように学術や武術を
極めたいと思っているわけでもなさそうですし。

 ただ桜姫が「美しさ」へのこだわりをあまりもっていないのは
仕方がない面があるのも事実です。人はなぜ美しい姿になりたいと
思うのか? おそらくその最大の理由は異性を惹(ひ)きつけたいという
ことでしょう。

 桜姫が育った環境を思い出してみてください、幼少期にすでに結婚相手が
決められた状態、しかも人里離れたところでひっそりと暮らしていたの
ですから、そもそも美しいということにこだわる必然性がなかった
のです。

 桜姫も与えられた力を生かして人間を守りたいとは思っていますが
(桜姫華伝2巻・P.26より)具体的にやったことといえば妖古を倒した
ことがあるくらいか?


 桜姫は「何をするかは自分で選ぶ! どう生きるかは自分で
決める!!
」(桜姫華伝2巻・P.25の2コマ目)と青葉にかつて言っていました。
それから時は流れましたが、桜姫は結局どんな人生を選ぶことを
希望したのでしょう?
 青葉と仲良く静かに暮らしたいという希望がある位で
他には何も望んでいないのかもしれませんが、よくよく考えたら青葉との
結婚は上にも書かせていただた通り幼少期にすでに決まっていたことですから、
厳密に言えば自分で選択したとは言えないよな…まぁ桜姫に言わせると自分で
選択した結果青葉と結婚する道を選んだということなのでしょうが。

 「私は自由になりたい…!!」(桜姫華伝2巻・P.26の1-2コマ目)とも
言ってましたが、この願いを叶えようと思ったら相当な努力がいる
でしょう。月の姫という立場がある時点で選択肢はかなり狭まって
しまいます。

 ここまで書いてきて思うのですが、あることにこだわりを持てるって
実はとても幸せなことなんだよなぁ。
百合姫は恵まれた環境に生まれ
特に敵と戦うことも強いられず、思う存分自由にやりたいことをやれる
から、美の追求をすることができました。でも桜姫は自分が実は妖古に
なってしまうおそれがある体であることが分かったり、槐に連れ去られたり、
もうすっかり忘れてさられてるけど青葉に矢で射抜かれたりしたりと
言った具合にのんびり自分は何がしたいのかとか考える余裕が
なかったよな…


 青葉と結婚し、生活が安定したら特に意識しなくても自然とやりたいことが
できるのかもしれませんね。

百合姫「今日もときめき完了ですわね
(りぼん2011年3月号・P.285の4コマ目)

 ときめき完了とか寒すぎわろたwww
百合姫ってこういうキャラだったんだ…こんなのと結婚したら
たまったものじゃないな。毎日のようにときめきが完了した姿を
見せられて、感想を言わなくちゃいけないのですから。

百合姫様はいつも完璧ですごいですわ 私など時々手を抜くことも
ありまして
」(りぼん2011年3月号・P.285の4コマ目)

 百合姫にとってはこれが本来の仕事のようなものだからな。ちゃんと
やって当然なのでしょう。周りの人は美容だけやってればいいという
ことはないからな。そんな時間もお金もないし。


百合姫「クビ」「ブスはいらない♪
(りぼん2011年3月号・P.285の5コマ目)

 ひどい。自分の周りに美しくないものが存在しているのが許せないの
でしょうが、見た目だけでなく美しくなるということにちょっとでも手を
抜くような奴もいらないのか。


※身だしなみなどを仕込んでくれた乳母について
百合姫「クビにしたわ」(りぼん2011年3月号・P.286の2コマ目)

 え? だって美しさを追求するのであればご意見番みたいな人も
必要だろうに。


百合姫「だって私より 美しかったんですもの
(りぼん2011年3月号・P.286の3コマ目)

 訳わからんwwwwwwwwwwwwww
美しくてもダメ、もちろん不細工でもダメ、要するにただの気分屋で
周りが手をつけられないわがままな姫ということでよろしいですね。

 そりゃ自分より美しい人を排除すれば自分が一番美しく見えるのも
当然だろう。百合姫のわがままは美容関係だけなのだろうか?
この調子だと他のことでもあれこれ言って周りを振り回していそうだ。
何を言っても咎(とが)める人などいないだうし。仮にいたとしても百合姫の
ご機嫌を損ねたらクビでしょう。


○百合姫の邸の外で青葉を待つ桜姫

桜姫「ここで 待つよ…」(りぼん2011年3月号・P.287の6コマ目)


疾風(はやて)「思いっきり臨戦態勢じゃねーか!!!
血桜まで出しやがって!!」(りぼん2011年3月号・P.287の6コマ目)

 桜姫が変身したのって久しぶりだな。槐に囚われていた際に脱出
するためにした時以来か。 久しぶりに変身した理由が妖古が襲撃して
きたとかではなく、青葉の浮気疑惑っていうのがなんとも言えない。

 でもこうやって邸の外に謎の車両が長時間停まっていて怪しまれない
のか? どう考えても不自然ですが。


桜姫「青葉のこと信じてるもん!!
(りぼん2011年3月号・P.288の1コマ目)

 どう見ても浮気現場に乗り込む鬼女房です。どうもありがとう
ございました。
信じてるんだったらそもそも百合姫の邸まで
乗り込むわけないし。

 桜姫が青葉のことを信じられないのも無理ないです。今晩桜姫の
部屋まで行くと言っておきながら何もせず、百合姫の邸に行ってるの
ですから、これで何を信じろというのか。


○青葉が百合姫の邸に行った理由

青葉「こちらがお約束の染め布です
(りぼん2011年3月号・P.288の1コマ目)

 青葉が直々に染めに出させている染め布が欲しいと百合姫が
言ったから持っていったのか。

青葉「では これにて失礼します
(りぼん2011年3月号・P.289の4コマ目)

 はんこもらって玄関先で帰るようなノリだな。

 いやいや、別に百合姫の味方する気は全くないけど、これじゃ
ただ単に配達じゃねーか。
青葉が直接行く必要はなかった位だ。

 青葉をなんとかして手に入れたい百合姫がこれで納得する
はずもなく…

百合姫「そんなっ 確かに用は済んでるけどっ 今日は親王様も
そのおつもりだろうって父様が言ってらしたもの

(りぼん2011年3月号・P.290の1コマ目)

 あくまでも右大臣家目線で青葉の心の中を推理したのですね。
「その」のところが強調されていますが、まぁ本当に布の配達だけして
帰るとは思わないよな。

 右大臣は酒や魚を勧めて青葉の足止めをしようとします。青葉も
この話を受けたので、百合姫に挽回の機会がやってきました。


百合姫「この結婚には右大臣家の未来がかかっているんですもの!
絶対に今夜既成事実を作ってみせる!!

(りぼん2011年3月号・P.291の1コマ目)

 そりゃ青葉と結婚できれば右大臣家の地位は安泰(あんたい)だからな。
必死になるのも右大臣家からすれば当然でしょう。ただ百合姫は
青葉のことを本当に愛しているのか? 愛しているのであれば本気で
向かっていけばよし。ただ地位やお金が欲しいだけなら結婚しても
生活は決して楽しくないぞ。

 もっともこの戦い、形勢はあきらかに右大臣家優位なんですよね。
なにしろ百合姫との結婚は帝(みかど)も求めているところですし。

 「既成事実」を作ろうといろいろ仕掛けてくる百合姫。青葉は頭がとても
良いですが、残念だけど本気で自分を色恋の面で落とそうとしている
ような人に対抗できるだけの力はないでしょう。だって恋愛面の知識に
差がありすぎますから。

 青葉が恋愛面で不器用なのは仕方がありません。だって桜姫と
結婚することが前から決まっていたから、そもそもそんな知識を
磨く必要などなかったですし。桜姫が美しさに気をつける必要が
なかったのと同じ構図ですね。

 百合姫は右大臣家のために事柄の是非(ぜひ)はともかくとして
必死に戦っています。では青葉は何を守ろうと思ってここにやって
きたのでしょう。もっとも大事にしなくてはいけないはずの桜姫の顔が
頭に浮かぶことはなかったのでしょうか?

↓つづきはこちら
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