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2011年3月27日 (日)

【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第二十九話「『欲』深い東宮」(りぼん2011年4月号)感想 その4

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  • 【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第二十九話「『欲』深い東宮」(りぼん2011年4月号)感想 その3
    ↑のつづき
  • ○青葉が東宮になれなかった理由

    藤紫「物忌(ものいみ)もついて 後見の権力も弱まったことから
    青葉は東宮に立てなかった
    」(りぼん2011年4月号・P.372の4コマ目)

     青葉は桜姫に対して東宮になることができなかった理由をかつて
    説明したことがありました。その時は「『おまえも月の姫に惑わされる』と
    恐れられ 正当な後継者であるにも拘(かか)わらず 東宮に
    なれなかった
    」(2巻・P.113の4コマ目)と言ってましたが、藤紫の話は
    かなり食い違ってますね。でも青葉が積極的に嘘をつく理由もないし…

     もしかしたら、後見の権力が弱まった際に、青葉を東宮にさせたくない
    勢力が青葉を東宮にさせない理由に桜姫のことを使おうと思い、青葉に
    対して「お前も月の姫に惑わされる」と言ったのかも。正当な後継者を
    引き摺(ず)り下ろすのであればそれなりの理由が必要ですし。

    藤紫「結局他の親王も暗殺されたり権力に負けたりして
    残ったのが 見捨てられてた僕だけだったんだ それで
    急に東宮位を押し付けられたわけさ

    (りぼん2011年4月号・P.373の1コマ目)

     なんというタナボタwwww でも世の中なんてこんなもんです。

     本当の意味でのサバイバルゲームが繰り広げられていたんだな。
    東宮という地位がこの世界の人たちにとって命をかけてでも獲得する
    価値があるものだということなのでしょうけど。

     周りも権力争いに全く加わっていない藤紫は完全に無視していたん
    だろうな。暗殺とかまで起こっていたのであれば実際に藤紫が東宮に
    つきそうになった段階で狙われていても良さそうですが、危ない思いを
    したことはないのだろうか? 「押し付けられた」とあるからもしかしたら
    生き残った人たちはもう東宮になんかなりたくないとか思ったのかもな。
    いくら権力が得られるって言ったって暗殺されたら意味ないですし。


    藤紫「命字は逆の意味をさしてたんだな 『欲』がなかったんだ
    俺にはなにも
    」(りぼん2011年4月号・P.374の4コマ目)

     いや、まだ分からんぞ。ただ単にこの時点では藤紫に欲しいものが
    ないだけだから、こう思っているのであって、もし欲しいものが見つかったら
    どんな犠牲を出してでも取りに行くかも。

     権力も女も生死にも興味がないからと言って無欲とは限りません。

    ○桜姫はどうして一生懸命?

    藤紫「何が楽しくて姫は笑う?」(りぼん2011年4月号・P.377の3コマ目)

     これ、説明しろって言われても困るだろう。

     ただ桜姫は何が好きなのか、どんなことを見ると楽しいと感じるのかは
    まだよく分かってないんですよね。ひとつだけ確実に言えることは
    青葉のお嫁さんになりたいという希望だけは強いということでしょうけど
    政治的な力が欲しいとか、百合姫みたいにおしゃれをしたいとか
    そういう欲望は全くないですよね。

     …とここまで書いてきて思い出したのですが、人間を守りたいって
    いう願望が桜姫は強いんですよね(2巻・P.26-27)

     つまり桜姫が願望を叶えたいという気持ちが強くなってる時は
    人間界の危機っていうことなのか。そう考えると桜姫がなんとなく
    生活している時は桜姫の周りにいる人たちが安全であるという
    証(あかし)なのかも。


    藤紫「何が嬉しくて姫は喜ぶ? 何が悔しくて姫は怒る?
    何が悲しくて姫は泣く?
    」(りぼん2011年4月号・P.378の1コマ目)

     桜姫は他人のために泣いたり笑ったり、よろこんだりしている
    ことが多いですよね。あまり自分のために感情表現してないような
    気がする。あ、でも青葉が百合姫と一夜を共にした時は別ですけど(笑)


    藤紫「どうして そんなに 生きることに一生懸命なんだ
    (りぼん2011年4月号・P.378の2コマ目)

     これは恵まれた環境にいる人の発想だな。厳しい立場に
    置かれている人は一生懸命に生きようとしないと生きていけませんし。
    一生懸命生きている理由なんて考える余裕などないでしょう。

     桜姫は「生きること」自体が好きだと言っていますが、幼い頃から
    自分の意志で自由に生活していくことができなかった桜姫にとっては
    今こうやって生きている過程で見るもの聞くもの、自分の周りにいる人たち
    とのやり取りなど、どれもが魅力的なのでしょう。他の人からみたら
    妖古でもこない限り、桜姫の生活は平凡すぎるように見えるのでしょうけど
    桜姫にしてみればそういう生活こそ、何物にも変えがたい大切な物
    なのでしょうね。 


    ↓つづきはこちら
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