【イン ザ チョコレート】〔村田真優さん〕(りぼんマスコットコミックス:インザチョコレート収録)感想 その2
【イン ザ チョコレート】〔村田真優さん〕(りぼんマスコットコミックス:インザチョコレート収録)感想 その1
↑のつづき
○クラスの中で「無表情」と呼ばれている泪(るい)
泪にないものの一つは「友達」ですが、もう一つないものがあります。
それは「表情」、友達を作る気がないから、感情を表に出す必要性が
ないのでしょう。笑うこともなく、友達と遊ぶこともなく、ただひたすら
母親の言うとおり勉強をするだけの中学生活…こんなのきつすぎるだろうと
思えるのですが、本人にしてみれば特にこのような生活を苦痛と考えては
いないようです。
他の人の人生がどうであろうが、泪にしてみればこの人生が普通
なのですから、別につらいということはないのでしょう。何が普通で
何が普通でないかは人によって違います。
泪「誰になに言われてもどうでもいい …仕方がない」
(りぼんマスコットコミックス・P.13の2-3コマ目)
なんていうか…もう意欲というか、現在のこの生活を変えることは
できないのだから、あるがままを受け入れることにしてるようですね。
まだ高校生にもなってないのに、こんなに人生を達観しちゃってるとは。
他の生徒にしてみれば友達候補はたくさんいるのですから、わざわざ
難易度が高い泪に話しかけようとは思わないですよね。だっていくら
話しかけても無視に近い態度をとるのですから、時間の無駄ですし。
泪が他の生徒から見て魅力的な子なら、ちょっと苦労をしてもいろいろ
話しかけようとしたかもしれないけど、無表情の子に興味なんか持てない
ですし。
○しつこく泪につきまとう美雷(みらい)
泪「学校行って勉強するのに いらないって思ってたら
いつのまにか無くなってた」(りぼんマスコットコミックス・P.14の4コマ目)
そもそも泪はなんのために勉強をしたいと思ったのだろう?
友達どころか、自分自身の表情すら捨ててまで勉強に打ち込んでいる
のですから、当然勉強をして何かを実現したいと思っているはずなの
ですが。
…どうもこのお話を読んでみると泪は勉強をしてその先に何があるのか
見えていないようだな。
美雷「…ああ その無くなったもんの中に 友だちも入ってんのか
人づきあいとかめんどうくさい人?」
(りぼんマスコットコミックス・P.14の5コマ目)
泪はとても優秀のようですから、勉強を一緒にやるような子もいらない
のでしょう。勉強をすること以外のことはすべてムダなのか。
※泪と美雷が共に暑いと言ったことについて
美雷「ハイ 同じこと思った!! 泪が拒否っても 同じこと考えた
オレら 一心同体」(りぼんマスコットコミックス・P.14-15)
人間ってついつい他人と違うところばかりに目を向けてしまい、
嫌ったり、遠ざけたりしますが、こうやって美雷のように違うところを
探すのではなく、同じ所を見つけて仲良くしようとするのはとても
いいことだと思います。
美雷「オレら 選んだもんが正反対だな」「泪べんきょう
オレあそび」(りぼんマスコットコミックス・P.15の2コマ目)
普通に生活をしていたらおそらく出会うことはなかったであろう
二人ですが、夜中に泪がコンビニに買出しに行ったことが
まさかこんな出会いのきっかけになるとはなぁ。
泪「…合わないかもね」(りぼんマスコットコミックス・P.15の2コマ目)
いくら共通点を見つけようと思ってもみつからない位違いすぎるからな。
こう思うのが普通でしょう。美雷が普通の男の子だったらここで
あきらめてさっさと他の子のところに行ったのでしょうけど、美雷は
他の人と違うことを考えたようです。
美雷「むしろ足したらいい感じじゃね?」
(りぼんマスコットコミックス・P.15の2コマ目)
ものすごいプラス思考だな。違うのであれば足せばより多くの力が
得られますよね。こういうことをごく自然に言える美雷ってきっと
幸せな人生をおくれそうです。
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