チャチャとりぼんのおともだち☆だいありー

【いちいちズキズキハート】〔木村恭子さん〕冬の大増刊号りぼんスペシャル(2010年)の感想　その3
↑のつづき

○恋をすると日常のさまざまな出来事が違って見える

真夏「帰り道　あと　なんとなくやったこと　犬田で犬田によって
ぜんぶ意味のあるものになる　そーゆーの　もっと　ふえてくと
いいなぁ」(冬の大増刊号りぼんスペシャル(2010年)・P.361の3-4コマ目)

　学校から帰る、髪型を変える、そういった普段当たり前のようにやって
いたことが、心がときめく瞬間に変身をしました。真夏は失恋した時に
つらい思いをするのが嫌だからという理由で、恋なんかしたくないと
思っていたのですが、恋をするとこうやって毎日が楽しいことの連続に
なったのですから、犬田と両想いになって本当によかったですね。


○デートに誘い忘れていた真夏

　犬田にポニーテールをかわいいと言われて、すっかり良い気分になった
真夏は当然のごとくポニーテールで登校をしました。なんだか体が
思いっきりゆれて他の生徒にぶつかりまくってますが、本人は全く
気づいていないでしょう。

小雪(あだ名:ネコ)「真夏ちゃんとワンちゃんってまだデートとか
してないんだってね」
(冬の大増刊号りぼんスペシャル(2010年)・P.363の2コマ目)

　肝心の用事をすっかり忘れていたでござるの巻。

　犬田にポニーテールのことを言われてすっかり舞い上がってしまい
デートの誘いをすることを忘れていたことすら気づいていなかったのか。
でも学校から一緒に下校するのってある意味デートのようなものではないか?
待ち合わせをして会ってるのですし。

　でもつきあっているのだったらやっぱりどこかへ遊びに行きたいと
思うのは確かでしょうね。


ネコ「やっぱ好きだったら　向こうからさそってくれるよね?
向こうからなにもしてくれないのって　やじゃない?｣
(冬の大増刊号りぼんスペシャル(2010年)・P.363の5コマ目)

　犬田の性格を考えると自分からデートに誘ったりするのは
無理だろうな…一緒に下校しようとの約束を守るために
教室の外で待っていたのが精一杯の愛情表現だったのでしょう。
不器用なだけですよ～

真夏「そーいや　デートも　私がさそおうとしたし　あ　一緒に
帰ろうも私から言った　あ　告白したの私だ」
(冬の大増刊号りぼんスペシャル(2010年)・P.364の1-2コマ目)

　これまで犬田と両想いだと分かったことで満足していたので
ここまで深く考えることはなかったからな。別に両方が常に
相手のために何かをしてあげなくてはいけないということは
ないのだから、別にこんなこと気にする必要はないでしょう。
人によって付き合い方なんて変わるはずです。真夏と犬田に
とっては真夏がきっかけを作って犬田が受けるという形が一番
心地よいのでしょう。

　以前の真夏だったらネコの言葉を聞いた直後に激しく落ち込んで
しまったでしょうけど、この時の真夏は違っていました。


真夏「恋してからもろくなった　つきあってからも変わんない
うかれたり不安になったり　でもささった矢のぶんだけ強いはず」
(冬の大増刊号りぼんスペシャル(2010年)・P.365-366)

　犬田と両想いになったことにより、強くなったのか。真夏にこう
思わせたのは犬田が真夏の愛をしっかり受けとめているという
ことを自分なりにきちんと表現した結果ですから、真夏がこう
思えるようになったのは犬田の努力のおかげでもあるんですよね。
犬田が自分のことを愛してくれているっていう実感が得られなければ
真夏がこういう風に考えるはずはないですし。


真夏「デートしよう　いつヒマ!?｣
(冬の大増刊号りぼんスペシャル(2010年)・P.366-367)

　すんなりデートに誘うことができた真夏。ネコのおかげですね。
ネコに下駄箱の前で突っ込みを入れてもらえなければデートに
誘うということ自体を忘れていたのですから、デートはできません
でした。


真夏「そっちからなにもなくても　好きだからだよ」
(冬の大増刊号りぼんスペシャル(2010年)・P.366-367)

　ここまで読んで確信した。真夏と犬田はデートという形がなくても
十分心を通い合わせることができるということに。他のカップル
みたいにデートなんてしなくても深い絆(きずな)で結ばれて
いるのでしょう。

　…でもそうは言ってもやはりデートはしたいはず(笑)
デートをできることになってよかったね。