【おてまえ頂戴いたします!】〔柚木ウタノさん〕(りぼん2011年5月号)感想 その4
↑のつづき
○大和に近づくために抹茶嫌いを克服しようとする美和
※抹茶を目の前にして
美和「これさえ飲めれば大和くんと一緒に愛のお稽古が
できるのよ美和!! 青汁よりマシだと思っていざ…!!
(りぼん2011年5月号・P.430の2コマ目)
普通、ここまで恋の障害があったらいくらなんでもあきらめそうな
ものですが、嫌いな抹茶を克服してまで、近づきたいと本気で思う
のですから、本当に大和のことが好きなんだなぁ。
ところで美和は抹茶が飲めるようになれば、大和と一緒にいられる
という前提で努力しています。実際、抹茶が飲めれば新聞部なんか
退部して、茶道部に入って活動することは可能でしょう。でも…
大和と両想いになることができる保証は別にないのだが…
どう考えても入部の手続きと、恋人選びとでは基準が違うだろう。
結局抹茶を飲むことはできなかった美和、大和に近づけるという
確かな目標があるのにもかかわらず飲むことができないのですから
本当に苦手な味なんだな。
美和「こうなったら 抹茶克服するまで会いにいかない! 猛特訓
してやるぅ!!」(りぼん2011年5月号・P.430の4コマ目)
ここまで必死になっている姿を見るとさすがに応援したくなるという
読者も多いのではないでしょうか。こういうあきらめない心って
恋愛以外の場面で発揮することができたら大きな財産になるな。
どうしても叶えたいものがあるけど、なんらかの理由で無理という
場合に必死になって対策を考えるでしょうから、結果として大きく
成長しそうですし。
美和「あのお茶が大和くんの最善のおもてなしなせ それを
飲みほせないままじゃ 本気で好きって言えないから
あたしがんばるよ」(りぼん2011年5月号・P.431の1-3コマ目)
なるほど、単に大和に近づきたいっていう理由だけじゃないんだな。
好きな人がせっかく用意してくれたものを飲めないというのは理屈抜き
に嫌なのでしょう。
美和のすごいところは一度決めたらぶれないっていうことだよね。最初の
うちは得体の知れない奴に目をつけられて大和災難だなと思っていたの
ですが、なんだかここまで愛されるなんて本当は幸せなのではないかと
いう気がしてきたよ。
大和「今日…も? 来てない…」
(りぼん2011年5月号・P.431の5コマ目)
美和が来るのではないかと周りをきょろきょろしている大和。あれだけ
連日やってきた子が突然こなくなったのですから、変だと思うのも
当然でしょう。
ただつきまとっている美和が来なくなってホッとしているという風では
ありません。抹茶碗に飴(あめ)を入れて待っているところを見ると
知らず知らずのうちに大和の気持ちに変化が生じているようです。
○美和、相手の気持ちを考えなくてはいけないと気づく
※美和が抹茶を飲めるように特訓しているのを見て
大和「無理なことするなよ」(りぼん2011年5月号・P.434の1コマ目)
別に大和は突き放すような意味でこの言葉を投げかけたのでは
ないのですが、美和にとっては自分を拒絶するかのような言葉として
受け取ってしまったようです。
美和「ちょっとでも大和くんの近くにいきたくて …がんばって
んのに… 大和くんのばか!! もういい!!」
(りぼん2011年5月号・P.434-435)
自分の気持ちをなかなか受け入れてもらえないということと、努力を
しているのに一向に抹茶を飲めるようになれないというイライラが
溜まっていたのが一気に爆発してしまった感じです。美和は一方的に
大和に対して恋をして、一方的に近づき、一方的に切れてしまったのか。
大和は何もしてないのに、自分を取り巻く環境が変わりすぎだろう。
キレた後、偶然間違えて抹茶を飲んでしまった美和、しかし抹茶に
牛乳が入っていたので、違和感なく飲むことができました。このことが
きっかけとなり、何かをひらめいた美和。さっそく行動に移します。
※茶道部の部室の前に美和がいないので
大和「来ない…か」(りぼん2011年5月号・P.438の3コマ目)
美和の姿が見えないのでがっかりしている大和。すっかり気持ちは
出会った頃とは違っているようですね。
※部室の中に入ったら着物を着た美和がいるのを見て
大和「な 何してんだ 着物着て…」
(りぼん2011年5月号・P.438の5コマ目)
美和が奇抜なことをやっても別に驚かないですが、それにしても
着物を着て座っている姿は想像できなかったのでしょう。
抹茶も飲めないし、ある意味美和と着物って全く接点がなさそうだからな。
美和はこの日のためにわざわざ着物を用意したのか。ちゃんと
着ていますが、誰かに着付けをしてもらったのかな???
大和「…どうぞ。美和流抹茶カプチーノです」
(りぼん2011年5月号・P.439の5コマ目)
美和は抹茶が苦手、大和はコーヒーが苦手。でも二人が苦手な
ものを合わせると二人が飲める飲み物に変身するのか。
これなら二人で仲良く飲むことができますね。これから先、二人に
とって忘れられない味になるのかもな。高校生くらいの時の記憶って
いつまで経っても忘れないだろうし。

こうやって素直に好きだという気持ちを美和が表したのは初めてかも。
これまではちょっと奇抜なことばかりやってたし。
美和「あたしの愛 入ってた? ばかなんて言ってごめん 変なこと
考えないで めいっぱい伝えればよかったんだ」
(りぼん2011年5月号・P.441の1-2コマ目)
相手に好きになってもらうのであれば相手のことを考えなくてはいけない、
一見すると当たり前とも思えることですが、意外とこの点を忘れて
しまっている人も多いですよね。美和はちゃんと気づくことができた
ようでよかったです。
美和「大和くん だいすきです」
(りぼん2011年5月号・P.441の4コマ目)
両想いになることができて本当によかったですね。大和は美和の
自分に対する想いは本物だと確信できたから、気持ちを受け入れる
気持ちになったのでしょう。最初の頃に警戒していたのは仕方ないよ(w
あれじゃ普通逃げるし。
このカップルはこれからも、美和の行動に大和が振り回される
ことになりそうだな(w
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