【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第三十五話「友情と純情」(りぼん2011年10月号)感想 その5
↑のつづき
○琥珀、ようやく呪縛から解放
琥珀「ごめんね…ずっと 疾風 ごめんなさい…!」
(りぼん2011年10月号・P.414の1コマ目)
「ごめんなさい」の言葉をなかなか言えなかったのは
ただ単に強がっていたとかではなく、あまりにも結果が重大
だったので、謝罪の言葉が見つからなかったのかも。なにしろ疾風が
カエルの姿のまま戻らないなんていう事態を引き起こしたのですから
どんだけ言葉で謝ってもどうにもならないでしょう。
でもこれでよかったのかもな。疾風にしてみれば好きな女の子
(瑠璃条と親密になる前)がずっと罪悪感に苛(さいな)まれて落ち込んで
いる姿なんて見たくなかったでしょうし。カエルの姿にされる前の時の
ような態度で普通に接してくれたほうが疾風としても精神的に楽だった
でしょう。
いくら琥珀が落ち込んだところで、自分が元の姿に戻るというわけでも
ないですし。同じ時間を過ごすのであれば楽しい気分で過ごしたほうが
断然いいです。毎日謝られたり泣かれたりしたらそれだけで気分が
滅入(めい)ってきます。
疾風「いいって もう気にすんなよ 俺けっこう蛙(かえる)の姿
気に入ってたしさ」(りぼん2011年10月号・P.414の3コマ目)
カエルの姿のおかげで鳥の背中に乗って
瑠璃条に会いにいけたからな(w
人間の姿だったら絶対に行くことができないような場所にいけたり
したし、疾風が「気に入ってたしさ」という言葉に嘘はないと
思います。実際特にカエルの姿にされたことについて悩んでいた様子は
なかったですよね。
もっともカエルの姿になってしまう術をかけたのが琥珀ではなく
別の忍だったとしたらまた違った反応をしたのかもしれませんが。
好きな人の失敗はある程度許したくなるっていうのもあるんだろうな。
しかしもう疾風のカエル姿は見ることはできないのか…疾風といえば
カエルっていうイメージが頭に焼きついているから、ちょっと寂しいな。
月泉水の効果が切れて、突然カエルの姿になっちゃったり、琥珀が
再びカエルの姿になってしまう術を疾風にかけたりした場合は
別なのでしょうけど、さすがに疾風も二回目は嫌だろうな(笑)
疾風「ほら琥珀立って 話はゆっくり中で」
(りぼん2011年10月号・P.414の5コマ目)
結局ゆっくり話をする機会はなかったのですが、琥珀が特に
何もいわずに中に向かって行ったら疾風は何を話すつもりだった
のだろう? 術が解けた時の状況に触れないわけにもいかない
だろうし。まさか瑠璃条と密会していたことは話すわけにはいかない
ですよね。
自然に術が解けたとかい嘘をつくのが無難でしょうけど、疾風は
嘘を上手くつけたのだろうか???
○琥珀、遅すぎた告白
琥珀「あの…あのね 疾風の術が解けたら疾風に言おうって
決めてたことがあるんだ」(りぼん2011年10月号・P.415の4コマ目)
何で術が解けたのか聞こうとしない理由がなんとなく分かった
ような気がする。疾風に対して一刻も早く言いたいことがあったから
もうなんで術が解けたのかなんてどうでも良いことだったのでしょう。
術が解けたと知った直後にその場で言うのですから、余程この日が
来るのを待っていたんだろうな…
琥珀は術が解けたら告白すると決めていたようですが、術を
解くためには瑠璃条の協力が必要でした。疾風と瑠璃条の関係が
親密にならない限り瑠璃条は協力なんてしてくれないのですから
琥珀の恋は最初から成就(じょうじゅ)しない運命だったのかも…
なんでもっと早く告白しなかったのだろう。術が解けたら
琥珀に対する恋心まで解けてしまったではないか。まさか疾風の
気持ちが他の人に行ってしまうなんていうことは想定して
いなかったのでしょうけど、好きだと思ったら一日も早く伝える
っていうことがいかに大事かがよく分かります。
琥珀「どうか笑わないで聞いて 私……」
(りぼん2011年10月号・P.415の5コマ目)
笑うどころか、この後に続く琥珀の言葉を聞いて疾風はとても
複雑な気持ちになったわけだが…読者の私達からすると、疾風が
この数日何をやってきたかを知っているから、この後琥珀が味わうで
あろう絶望感を想像するとかわいそうで仕方がない。
琥珀「疾風が好き」(りぼん2011年10月号・P.416の1コマ目)
りぼんに連載されている作品の中で、主要キャラがついに告白を
するという場面は読んでいるだけで気分が高揚(こうよう)してくる
ものですが、こんな悲しい告白シーンはなかなかないな。
琥珀「ずっと ずっと 小さい頃から疾風だけを見てた… でも
あんな術をかけちゃって 自分が情けなくて 疾風に気持ちを
伝えることができなかったの…」(りぼん2011年10月号・P.417の2コマ目)
カエルになる呪文は恋を壊す呪文だった…もし術をかけなかったら
抱き合ったりキスをしたりすることができたのにとかいって
悩んでいたりしたのかもな。自分のせいで恋が進展しなかったの
ですから、つらさは大きかったことでしょう。
琥珀「でも 本当はずっと 疾風が好きだったんだよ」
(りぼん2011年10月号・P.417の3コマ目)
琥珀は一応告白という形をとってますが、疾風が自分のことを
好きだというのはまず間違いなく把握しているので、疾風が
自分の気持ちを受け入れてくれることを前提とした告白
なんですよね。なので疾風が受け入れてくれるかどうかという
不安な気持ちなんてほとんどなかったはずです。たんなる通過儀式
程度の認識だったはず。
なので、結果が自分が考えていたものとは違うものになった時の
ショックは大きいです。
↓つづきはこちら
【桜姫華伝】〔種村有菜さん〕第三十五話「友情と純情」(りぼん2011年10月号)感想 その6
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