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2012年10月25日 (木)

【花めぐりあわせ】〔持田あきさん〕第二回(りぼん2012年11月号)感想 その2

チャチャとりぼん、ツイッター @chacha_ribon

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【花めぐりあわせ】〔持田あきさん〕第二回(りぼん2012年11月号)感想 その1
↑のつづき

 手違いで男子の奉公人を希望していた三室堂に行ってしまった女の子の
「きょう」、さっさと帰るように言われたのですが、すでに前金300円を使って
しまったので帰るに帰れない状態となってしまいました。

三室堂主人の妻「そこの庭のとこ 昨日の雨でぬかるんだ土に そこに
膝(ひざ)をつき額(ひたい)もつき 土下座をし

(りぼん2012年11月号・P.93の3-5コマ目)

 これ、実際にきょうがやるということはあまり考えていなかったのかも
しれないな…人間誰しも自分を基準に物事を考えます。妻だったら
こんなことを強いられたら間違いなく反発してさっさとここを飛び出した
ことでしょう。

 で、きょうが飛び出してくれればあとは前金をどんな手を使っても回収
すればいいと。ところが…

※主人の妻の言う通りにして
きょう「お願いします 私を雇ってください
(りぼん2012年11月号・P.94の4コマ目)

 きょうはもう帰る場所がありません…そりゃ物理的に戻ること自体は
できるかもしれないけど、ただでさえ貧乏なのに300円もの借金を新たに
してしまったのですから、それはもう生き地獄です。きょうの分の
食料も再び調達しなくてはいけなくなりますし。

 そのことを思えば土下座くらい何ということはないはずです。

主人の妻「…お前 誇りはないのかい
(りぼん2012年11月号・P.95の1コマ目)

 この時代、誇りとか言えるような人は恵まれた層だけでしょう。
穂積家のような貧乏な家の子は生きるためならどんなことでもやらないと
いけないのでしょうね。

きょう「もとより 親兄弟を見捨ててまで 守りたい誇りなど
私にはありません!! どんなお仕事でも喜んでやらせて
いただきます
」(りぼん2012年11月号・P.95の2-3コマ目)

 きょうが孤独の身ならいろいろ選択肢もあったのかもしれませんけど
何しろきょうには盲目の母を筆頭にたくさんの兄弟がいるからなぁ…
自分がここで我慢をしなかったら穂積家がどうなるかを考えたら
誇りなんてちっぽけなものでしょう。着物についた泥は洗えば落ちますが
ここで逃げてしまったら300円の借金が一家に重くのしかかります。

 土下座をしている時に母の顔が頭に浮かんでいますが、母の目の
薬をなんかして手に入れたいっていうのも今回奉公に出る決心をした
理由のひとつだから、その点を考えてもやはりここで逃げるというこは
ありえないよな…

 穂積家の人たちの性格を考えたらきょうが帰ってきたところで
文句を言う人はいないとは思いますが、その優しさすらきょうには
きっとつらいはずです。

 この場面で三室堂は完全に悪役になっていますが、前にも書かせて
いただいた通り、三室堂は男子を希望していたのですから、帰るように
言ったこと自体は仕方がありません。

 ところで朔太郎はきょうが大変な目に遭っているのに何もしないで
ぼーっとしているだけですね。一緒に土下座するくらいの覚悟が欲しかった
ような気もします。

↓つづきはこちら
【花めぐりあわせ】〔持田あきさん〕第二回(りぼん2012年11月号)感想 その3

槙ようこさん×持田あきさんのサイン会(ピカ☆イチ4巻発売記念)に行ってきました(2012年4月1日、渋谷TSUTAYA開催)

講談社ARIA創刊記念のイベント、槙ようこさんと持田あきさんの手渡し会に行ってきました

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