【花めぐりあわせ】〔持田あきさん〕第二回(りぼん2012年11月号)感想 その4
チャチャとりぼん、ツイッター @chacha_ribon
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【花めぐりあわせ】〔持田あきさん〕第二回(りぼん2012年11月号)感想 その3
↑のつづき
○「きょう」、東京の景色に感激
きょうは与野から東京に奉公に出てきたのですが、今だったら
電車一本で余裕で都内に行くことができるので旅行という感覚は
全くないのですよね。でもきょうはそれこそちょっとした大冒険をして
三室堂までやってきたので、ひょっとしたら今の人が外国に始めて
行った時より感動したかも。
慧一郎(けいいちろう)「ここからの眺めは毎日変わっていく 時代は
明治だ二百年以上 徳川の膝元(ひざもと)で隔離(かくり)されていた
この国はどんどん進化しないと他国の植民地にされてしまう」
(りぼん2012年11月号・P.100-101)
窓からは浅草の凌雲閣が見えていますが、当時は高い建物なんて皆無
だったから12階建の凌雲閣は結構遠くからも見えたのでは?
日比谷の鹿鳴館も見えているようですが、三室堂の2階の上から
これだけたくさんの建物が見えるなんて! きょうはこの景色を見ることが
できただけでも東京にやってきた価値はあると言えるでしょう。
しかし慧一郎が時代の進化の速さについてしゃべっていますが、
江戸幕府の崩壊と明治政府の誕生によって突然東京などの都市部は
別の世界になってしまったようなものだからなぁ、鉄道や電話など
さまざまなものが一気に入ってきましたから、当時の人は毎日が新鮮な
驚きの連続だったことでしょう。
国を開いたということは当然他国とつきあっていかないといけないので
進化しないと相手になめられてしまい、好き勝手にやられてしまうでしょう。
資源がないから人間が努力する以外になかったんですよね。
この問題は何も明治時代だけに限定した話ではなく現代でも全く
同じですよね。…いや、情報通信網や交通機関が発達した現在のほうが
油断をしたら他国に利用されてしまいそう。食料だった燃料だって今の
ほうが外国に依存してますし。
きょうはこの時まで日本の行く末とか考えたことはなかったでしょう。
日本のことを考える余裕なんていうものはある程度お金がなければ
不可能ですし、そもそもきょうが住んでいたところには世界の情報なんて
入ってこないでしょうから、考えようと思ったとしても考える材料が
なかったでしょうね。
慧一郎「君はね 先刻 自分に今出来る最善の行動をとった
それは誇りがないんじゃない『柔軟』というんだ」
(りぼん2012年11月号・P.101)
「最善の行動」というよりもう他に選択肢がなかったんですけどね…
「柔軟」でなかったら生きていけないのです。あの時きょうが穂積家に
帰ったりしたらどうなったか…きょうにしてみれば三室堂で奉公をして
いたほうがマシでしょう。
慧一郎「それは胸を張って 誇っていいことなんだよ」
(りぼん2012年11月号・P.102の1コマ目)
きょうは誰かに強制されたわけではになく、自分で考えて行動したの
ですから誇っていいです。奉公人ですからできることに制約はありますが
心まで縛られることはないですよね。
きょう「観月さ…慧一郎さま 私のことは『きょう』とお呼び下さい
本日より どうぞよろしくお願い致します」
(りぼん2012年11月号・P.102の3コマ目)
こうしてきょうは三室堂での生活が始まることになりました。奉公先
には怖い人がたくさんいますが、こうやって慧一郎のように一人でも
理解をしてくれる人がいると心の支えになりそうですね。
せっかく東京にいて、書店という情報が集まる場所にいるのですから
ただ単に下働きをするだけでなく、できる範囲で日本のこと、世界のことを
勉強して欲しいです。
↓つづきはこちら
【花めぐりあわせ】〔持田あきさん〕第二回(りぼん2012年11月号)感想 その5
槙ようこさん×持田あきさんのサイン会(ピカ☆イチ4巻発売記念)に行ってきました(2012年4月1日、渋谷TSUTAYA開催)
講談社ARIA創刊記念のイベント、槙ようこさんと持田あきさんの手渡し会に行ってきました
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