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2013年1月23日 (水)

【シュガーソルジャー】〔酒井まゆさん〕CHAPTER.17(りぼん2013年1月号)感想 その1

チャチャとりぼん、ツイッター @chacha_ribon

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 入谷の過去が明らかになった回でしたが、一番古い記憶が3歳の頃にお腹が
空いたと母親に言ったら適当にあしらわれた記憶か…この感じを見ると
たぶんそもそも子供を欲しいと思っていなかったのでしょう。

 コーンの缶詰を見つけた入谷が缶を開けられなかったので母に
言ったら面倒くさそうに開ける場面が出てきましたが、たぶん
ずーっとこんな感じだったんだろうな。食べることって大きな楽しみの
ひとつのはずなのですが、入谷は実の母と生活している間はその
楽しみを知る機会がなかったのか。

○入谷の過去がついに明らかに

入谷の心の中の声「若かった母親は 暴力こそふるわなかった
ものの出かけたのの何日も帰らないことがよくあった

(りぼん2012年1月号・P.156-157)

 いや、これって立派な暴力だろう…そりゃ殴ったり蹴ったりしては
いないかもしれないけど、幼児を何日も放置するとかもうまともに
育児をしているとは言えない。もし病気になったり、誰かが家に上がり
込んだりしたらどうするつもりだったのだろう??? 積極的に入谷の体を
傷つけるつもりはないけど、不在の間に何かあったとしてもかまわないと
いう姿勢がありありとうかがえます。

入谷の心の中の声「まるで僕が そこにいないみたいに振る舞った
(りぼん2012年1月号・P.157の2コマ目)

 これはきつい…大人でもこんな扱いされたら精神的に落ち込むでしょう。
人間にとって自分の存在を認めてもらえないことほどつらいことは
ありません。まだ学校にすら通っていない入谷にとってみれば母親が
心の支えなのですが、その母親にこの仕打ちですよ。親せきの人
とかとつきあいがあればまた別だったのかもしれないけどなぁ。

 結局入谷の母は突然いなくなってしまいました。もう子供なんてどう
でも良くなったのか、それとも新しい彼氏ができたから家に帰る
必要が無くなったのかは分かりませんが、いずれにしてももう入谷は
用済みになってしまったようです。

 入谷は部屋の中で倒れているところを家賃を滞納をしているから
おかしいということで調べに来た人によって発見されたのですが、
自分が空腹で動けなくなる程弱っていたのに母を憎む心が芽生え
なかったのはどういう心理なのかな?と思いその理由を考えてみたの
ですが、この時点では外の世界がどういうものかを知らなかったから
自分がいかにひどい扱いを受けているかということが分からず、
結果として憎しみの心が生まれなかったのかも。

※母親が帰ってこず、体調を崩して倒れてしまった際に
幼い頃の入谷の心の中の声「言うこときかないと嫌われちゃう
いい子にしてなくちゃ
」(りぼん2012年1月号・P.159の3コマ目)

 憎む心より母から嫌われて捨てられてしまう恐怖感の
ほうが強かった
みたいですね。よくよく考えたら入谷は生まれて
からずっと母としか接してこなかったので外の世界のことはよく
知らなかったから、自分が虐待されていることをおかしいと思って
いなかったのかもしれませんね。

 …もっともおかしいと思ったとしてもこんな子供がひとりで生活
していけるわけないので、生きていくためには嫌われないように
がんばる以外に選択肢はなかったのでしょうけど。

○遊佐との出会い

 入谷は保護者がみつかるまでの間、遊佐家で保護されることになったの
ですが、そこで一誓とであったのか。古い付き合いなのですね。

保護当時の入谷の心の中の声「よそのおうちでは毎日
こんなに食べものが出るのか 毎日お風呂に
入って 洗い立ての服を着て

(りぼん2012年1月号・P.166の3コマ目)

・°・(ノД`)・°・

 いきなり生活が180度変わったのですが、遊佐という友達もできてよかった
ですね。なにしろ実の母がいた頃はまともに養育してもらっていなかったので
外で一緒に遊んだりするなんて論外だったでしょうから友達を作りたくても
作れなかったでしょうし。

○母の姉に引き取られた入谷

 母はひどい奴でしたが、その姉はまともな人で本当によかったですね。
この人までひどい人だったら入谷の人生はどうなっていたことか…

当時の入谷の心の中の声「愕然(がくぜん)とした 自分が今まで愛情
だと思っていたものは何だったのか

(りぼん2012年1月号・P.169の2コマ目)

 愛情なんかなかったんだよ…ようやく今までの自分の生活が
どういうものであったのか理解した入谷。まぁロクな食事を与えて
いなかったのだから、お風呂の世話とか衣服の洗濯なんかして
たわけないですよね。

 こうなってくると今度は別の心配事が生まれてきます。

当時の入谷の心の中の声「嫌われてはいけない この人達に
気に入られなければ またあの部屋に戻ることになるんだ

(りぼん2012年1月号・P.169の3コマ目)

 一度世間一般の生活を知ってしまったらそれを失うことに対する恐怖感が
芽生えてくるというのも納得です。まともに食べられない…いや、
食べられないというだけでなく、そもそも存在自体を認めてもらえない、
そんな生活に戻りたいと思うわけはないのです。

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