【イン ザ チョコレート】〔村田真優さん〕(りぼんマスコットコミックス:インザチョコレート収録)感想 その4
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【イン ザ チョコレート】〔村田真優さん〕(りぼんマスコットコミックス:インザチョコレート収録)感想 その3
↑のつづき
○美雷(みらい)に惹(ひ)かれていく泪(るい)
よくよく考えたら友達がいないということは、彼氏を作る
なんて想像すらしていなかったでしょう。異性に興味を持った
今まで全くないのかな?
勉強にあけくれる日々で、そもそもどんな男の子が周りにいるかという
ことすら知らなかったのかも。好きな子ができて、告白するか悩む
などということとは無縁の生活だったのだろうなぁ。
※泪の話を聞いた後に泪に対して
美雷「人づき合いがめんどいとかじゃなかったんだ …今まで
おつかれ」(りぼんマスコットコミックス・P.20の2コマ目)
自分のことをよく理解もしないで、難しい子扱いをして避ける子
ばかりだったのに、美雷は自分の話を聞いてくれ、そして理解を
してくれました。人間、自分の気持ちを理解してくれることほど
うれしいことはないので、美雷の「今まで おつかれ」という言葉は
まさにのどから手が出るほど欲しかった一言だったのかも。
母親が自分の友達に対して嫌なことを言うから仕方なく友達を
作らなかったのですから、難しい立場を理解した上でもなお親しく
してくれる美雷に対して好意を抱くなと言っても無理なのかもしれません。
美雷「オレはずっといるよ 泪んとこ」
(りぼんマスコットコミックス・P.20の3コマ目)
あー、これはもう心が鷲(わし)づかみにされただろう(w
これでもう泪は美雷から離れられなくなったな。
泪が美雷に心を奪われてしまった理由は分かりますが、美雷は
どうして泪に惹かれていったのだろう? 美雷には友達もいて
女子にも人気があるのですから、選択肢もたくさんあるのに。
美雷の家で一服した泪は、美雷の友達がいる川原へ戻ることに
なりました。ドアのあたりで美雷の体と偶然密着した泪は心臓が止まるかと
思うほどドキドキしました。友達から好きな人へ移行するのに時間は
いらなかったようです。
その後も夜中に公園で遊んでいる美雷たちと同行した泪。
泪の母がこの光景を見たら失神しそうだ(w
泪「誰かと一緒に笑い合うことは とても素晴らしい」
(りぼんマスコットコミックス・P.25の1-2コマ目)
この当たり前の楽しさをこれまで奪われていたんですよね。
たとえ自分からは何も言わなくても誰かと一緒にいれば
楽しい時間は共有できます。共に笑って、共に泣く、そうして人間は
机の上では決して得ることのできないことを勉強するのです。
学校の勉強や試験対策だけがすべてではないですよね。
○美雷、東京へ引っ越し
ずっと不登校の日々が続いていた美雷が学校に登校してきました。
周りの反応を見ると本当に人気物だったんだなぁ。泪は夜中に
知り合うまで存在すらしらなかったようですから、本当に周りのことには
関心がなかったこと分かります。いくら関心を持ったところで友達を
作ることは無理なのだから、最初から余計な情報を入れようとは
思わなかったのでしょう。
※登校した理由を泪に聞かれて
美雷「…泪に会えるかなと思って」
(りぼんマスコットコミックス・P.29の2コマ目)
お話を読み進めていくとこれは冗談ではなかったことが分かります。
もし泪と知り合わなかったら美雷は登校をすることはなかったでしょう。
お互い、相手への好意を隠さなくなり、事情を知らない人が見たら
恋人同士のように見える二人。出会うのがあと半年早かったら泪の
学校生活は全く違ったものになったはずです。
しかし甘い生活は本当に一瞬で終わってしまいました。美雷は
東京へ引っ越してしまうということを泪は先生から聞かされました。
泪「美雷 今日は最後だから来たんだね」
(りぼんマスコットコミックス・P.34の3-4コマ目)
最後に泪と会いたかったっていうのが一番大きかったんですよ。
美雷にこのことを聞きたくて仕方がない泪。でもなかなか切り出せません。
この気持ち分かるな。だってついさっきまで会っていた時に相手から
何も言ってこなかったのですから。
○美雷、父と大ゲンカ
泪の家に突然美雷の友達がやってきて緊急事態が美雷に起こって
いると知らせてきました
美雷の父「好きな女ができたから 自分は残るだぁ!?
バカみてぇなこと言ってんじゃねぇぞ クソガキ!!」
(りぼんマスコットコミックス・P.38の2コマ目)
美雷が社会人なら許されるかもしれないけど、まだ中学生だからな。
一人で生活していけるわけもなく、まさに「バカみてぇなこと」でしょう。
もっとも美雷は一人で生活していくことなど無理だということは
分かっているはずです。好きな泪と別れるのが嫌という気持ちを
自分は残ると言うことによって表しているのです。
※美雷の父に対して
泪「ごめんなさい 美雷くんと少しお話させてください
お願いします」(りぼんマスコットコミックス・P.39の4コマ目)
美雷の友達が知らせてくれなかったら、こうやってじっくり話すことも
できなかったな。美雷がいなくなっても、美雷の友達と友人として
親しくするのも悪くないような気がしてきた。たぶんこの子達なら
泪の母の攻撃にも屈しないだろうし(w
美雷がいなくなった後はまた元の生活に戻ることになりますが
気持ちは全く違うと思う。遠く離れてしまったとはいえ、自分の気持ちを
分かってくれた人が存在しているということは大きいです。きっと心の
支えになることでしょう。
※泪に東京に引っ越すことを言わなかった理由について
美雷「言えなかった 言いたくなかった 好きになると思って
なかった」(りぼんマスコットコミックス・P.40の4-5コマ目)
引っ越し前の軽い遊びのつもりだったのが本当の恋になっちゃった
のですね。最初のうちはからかっているつもりだったのですが泪の
これまでの人生についていろいろ聞かされているうちに心が動いた
んだろうな。人の心って自分自身も計算できないような動きを時に
することがあるからおもしろいです。
自分が東京に引っ越すということを話したら、もう関係が終わって
しまうと思うよな。まだ遠距離恋愛をするような関係でもなかったし
二人の時間は始まったばかりでしたから、お別れすると切り出すような
気分にはなれなかったのでしょう。
もっともずっと長居時間を一緒に過ごしたら言えるようになったのか
というとたぶん難しかったと思う(w 結局好きな人と離れて暮らすなんて
いうことはつらいことなのですね。
この後二人は誓いのキスをするのですが、泪はこれまで友達もロクに
いなかったのに妙に積極的だな。もしかしたらこれが泪の本来の
性格だったのかもしれませんね。
※話とキスが終わり、美雷の父に対して
泪「すいません ご迷惑をおかけしました」
美雷の父「…すげぇいい子じゃね?」「オレすげぇ悪者じゃね?」
(りぼんマスコットコミックス・P.45の7コマ目)
父よ気にするなwwww あなたは別に悪くない。再婚相手と
一緒に暮らすのも大事なことだし。いくらなんでも泪と美雷のために
地元の残る選択を今さらする訳にもいかないでしょう。
○泪、すべてを母に話す
泪「お母さんの説教つかれた…」「帰ってからずっと…」
(りぼんマスコットコミックス・P.46の5コマ目)
美雷の友達が自宅まで知らせに来たからすべてを話さざるを
得なくなりましたしね。学校から帰る最中にもめ事が起こったので
あれば母に知られることもなかったのでしょうけど。
でもこの機会にはっきり泪は自分の主張をすればいいのに。
こんな良い機会めったにないと思うよ。
泪「全部話したからな 夜抜け出したことも 美雷が大好きな
ことも」(りぼんマスコットコミックス・P.46の6コマ目)
これから夜は厳重監視されるのでは?wwwwwww
部屋に防犯カメラとかつけられたら嫌だな。
○泪と美雷、18歳になったら同棲(どうせい)
泪が東京の大学に通うことになるのをきっかけに同棲を許して
くれたのか。まぁ泪の父母にしてみれば同棲してくれれば仕送りが
少なくて済むっていうのは魅力的でしょう。このご時勢、二つの
生活拠点を維持するのは大変ですし。
美雷「お母さん よく同棲許してくれたよな」
泪「美雷のこと気に入ってくれてるから」「帰省するたび
お母さんに会ってくれて」
(りぼんマスコットコミックス・P.51の3コマ目)
まぁ泪の母は困ったものでしたが、母が厳しくしてくれたおかげで
泪は夜に脱走することになったのですから、美雷と出会うきっかけを
与えてくれた母に感謝すべき…なのかな???
帰省した美雷と会っていたということは泪の母は頭ごなしに泪の行動を
否定するタイプの人ではないのか。泪と付き合うひとをきちんと見極めて
いたようですが、これまでに何度もあった結果、大丈夫だと判断
したのでしょう。
…もっとも泪も18歳になったから縛ろうとしたところでもはや
無理ですが。どうせ無理なら仲良くやってほうが得です。
美雷「よし じゃあ 両手出して」
(りぼんマスコットコミックス・P.51の5コマ目)
ここで美雷が出したのは二つ。一つは二人が結びつくきっかけと
なったチョコレート。そしてもう一つは指輪。二人の新たな人生が
始まったのですね。
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